不動産は、なぜインフレに強いのでしょうか?
金利の動向

現在の日本は、失われた10年という期間を含めてデフレから脱却しきれていない状況です。
デフレ(デフレーション)とは物価が全体的に下落する状態、反対にインフレ(インフレーション)は物価が全体的に上昇する状態です。
日本の金融政策を司る日本銀行は、インフレ目標2%を掲げていますが、実際のところうまくいっていないことはデータからも確認できます。
金利は下げ止まりの状況なんですね。
この日本銀行の資料からも、長期プライムレートは下落傾向であることが分かります。
そもそも、プライムレートとは、優遇貸出金利の事です。融資期間が1年未満のものを短期プライムレートといい、1年以上のものを長期プライムレートと言います。
投資用不動産の貸出金利も、これらのプライムレートに影響を受けます。現在、史上まれな低金利時代なので、住宅購入や投資物件購入が盛んになっている状況なのです。
今後、金利は上昇するのでしょうか?

結論から言えば、誰にも分かりません。
金利に関しては、著名な金融アナリストや学者の先生たちが、こぞって高度な理論を用いて予測をなさいますが、結局ドンピシャに当てるのは難しいようです。
だから、どうなるか分からないのです。現在のコロナ禍で国内景気も随分冷え込んでいます。
そのような状況で、金利を上げれば、ますます購買意欲は下がるので、当分の間は金利を上げないという予測は出来ます。
ただ、あくまで予測は予測なので将来の金利は誰にも分かりません。
「インフレで貨幣価値が目減りする」とは、どういう事でしょうか?

このフレーズは聞いたことがある人もいるかもしれません。インフレで物価が2倍になった世の中を仮定して説明します。
※あくまで説明のためです。2倍になる事は考えにくいです。
給料20万円→40万円
お米10kg3,000円→6,000円
家賃10万円→20万円
こういう状況です。お米代も家賃も2倍になったけど、お給料も2倍になった状況です。
では、あなたが預けている銀行預金はどうでしょうか?
今、1,000万円銀行に預けていたとします。インフレで金利が上がり、利息が多くつくようになるので、うれしいですね。
でも、預けている元本の1,000万円はどうでしょうか?銀行は「インフレで物価が2倍になったので、元本も2倍の2,000万円にします」となるでしょうか?
そうはならないんですね。元本は1,000万円のままです。
つまり、インフレで物価が2倍になった後は、それまでの1,000万円は半分の500万円の価値に下がっているんです。
これが、インフレで貨幣価値が目減りするという状況です。
なぜ、不動産はインフレに強いと言われているのでしょうか?

あなたが、1,000万円の不動産を持っていたとします。
そうすると、お給料やお米代や家賃が上がったように、不動産自体の価格も上がります。2,000万円の不動産を持っていることになります。
しかも、もう一つメリットがあります。それは、ローンの支払い額です。
例えば、この1,000万円の不動産をフルローンで購入していて、ローンの残債が500万円だったとします。
先ほどの説明で言えば、インフレで貨幣価値が目減りしているので、残債500万円は250万円になっているのと同じなのです。
以上の点を踏まえると、将来、仮に本当にインフレの世の中になったとしても、現金を銀行に預けておくよりも、実物資産である不動産を保有していたほうが、あなたの資産を守れるという事になるのです。
確かに、不動産は実物資産ですので景気の変動で物件価格自体は倍になったり半値になったりする可能性はゼロではありません。
それは30年前のバブルを思い出したらお分かり頂けると思います。
そのため、不動産を保有する目的を物件価格が上がったら売って利益を出すという、いわゆるキャピタルゲイン目的にするのはリスクが大きいと思います。
現下のコロナ禍のような不景気で、外食や旅行などの贅沢は控えるようになっても、住宅に住まないという事は出来ません。
そういった事もあり、住むための家賃水準は今回のコロナ禍でも、ほぼ横ばいで推移しています。
ただ、在宅勤務の普及などによりオフィス家賃は下がっているようです。不動産の保有は、家賃収入を目的にすることで安定するのです。
もちろん、実物資産なので、大きく値上がりしていたら売却して値上がり益を得る事も可能です。
不動産にはない銀行預金のメリット

インフレになった時の銀行預金のデメリットは、先ほどお話した貨幣価値の目減りです。
では、メリットはないのでしょうか?あります。それは、流動性が高いという事です。
同じ1,000万円でも、不動産の場合は、まず買い手を見つける必要があります。
一般的には、買い手を見つけてもらうために不動産会社と媒介契約というものを結んで、探してもらい、買いたい人が見つかれば、売買契約→買主の金銭消費貸借契約→決済・引き渡しと、いくつかの手続きを踏んで、ようやく現金があなたの通帳に振り込まれます。
一概には言えませんが、実際に売却代金が振り込まれるまで最短でも1か月、長ければ1年ぐらいかかることもあります。
タイミング的に買主が見つからなければ、もっと時間がかかることもあるでしょう。しかも、税金も多くかかります。
その点、銀行預金であれば、平日に印鑑と通帳を銀行窓口に持参すれば、その日のうちに現金1,000万円を受け取ることが可能です。
つまり、流動性が高いというのは、現金を手元に早く得る事が出来るという事です。
まとめ
日々の生活の中で、突発的に大金が必要になる事もあります。それは個々人の生活状況にもよっても異なってくると思います。
だから、すばやく使う必要がある現金は銀行預金へ、そうじゃない余裕資金は不動産へ、というようにバランスを取った分散が重要なんですね。
マンション投資は、たいていはローンを組みます。2,000万円の物件を頭金100万円で1,900万円をローンといった具合にです。
最初から人に貸すので、ローンの支払いを、借主の人が家賃という形で支払ってくれるんですね。
これが、マンション投資が他人資本を使って資産を作れると言われる理屈です。
今、空前の低金利が続き属性の高い会社員や公務員の方は、借りやすい状況です。インフレが実際に起きるかは分かりません。
でも、将来インフレになった時に、今までコツコツ貯めてきた銀行預金の現金の価値が目減りしたら・・・
先ほども言ったように、将来の金利がどうなっているのか?インフレになるのか?誰にも分かりません。
分からないからこそ、そうなったケースも想定して動いておくことが重要です。地震がきたら、どこに避難する?と考え方は同じだと思います。
マンション投資のはじめ方に不安があったり、忙しい方、疑問点がある方は多いと思います。
すべて一人で解決しようとすると分からなくなったり、間違った方向に進んでしまう可能性があります。
そんな時は、いちど当事務所までお問い合わせください。
最後までお読み頂きありがとうございました。